診療について:フェレットについて

フェレットとは

 脊椎動物門・哺乳綱・食肉目・イタチ科・イタチ属のヨーロッパケナガイタチ(Mustela putorius)の亜種に分類されます。3,000~5,000年前から狩猟、実験動物、毛皮採取、愛玩用として飼育されていました。

以下のような特徴があります。

特徴

  • 完全な肉食動物であり、消化管は短く盲腸を持たない。
  • 食物摂取してから排泄までの時間が短い(2.5~3時間)。
  • 雄はペニスに骨がある。
  • 特徴的な体臭がある。
  • 汗腺未発達で、暑さに弱い(32℃)。
  • 交尾排卵動物(交尾の刺激で排卵する)。発情後交尾しないとエストロジェン中毒で死亡の可能性あり。
  • 寿命7-9年。
  • 後ずさりしてトイレの隅に排泄する。
  • よく寝る(1日の70~75%)。
  • 遊び好き。
  • 潜るのが好き(袋、トンネル、箱)。
  • ゴム、プラスチック、布等を噛んで遊び、腸閉塞になることがある。
  • ハムスター、小鳥等と一緒にしない(襲うことがある)。
  • ジステンパーに感染する。
  • 人のインフルエンザに感染する。
  • ペットショップで販売されているほとんどはスーパーフェレット(生後6週齢以前に避妊・去勢手術と肛門腺除去済)。
  • アメリカ、カナダ、ニュージーランドのファームから輸入。

ジステンパーのワクチン

 フェレットは犬と同様にジステンパーに感染します。しかしフェレット専用のワクチンは存在しないために、当院では犬用の2種混合ワクチン(ジステンパーとパルボウイルス)を犬の半量使用します。

 この方法による安全性と効果は確認していますが、あくまで効能外使用であるため仮に不測の事態が生じた場合に誰にも責任を問えないことをご理解・納得をして接種を受けて下さい。

副腎疾患

リューブリン注
リュープリン注

 副腎が過形成あるいは腫瘍(腺腫、腺癌、その他)化することで性ホルモン分泌が増え、脱毛、脾腫、前立腺肥大(雄)、陰部腫大(雌)などの症状がみられます。

 診断は特徴的な症状、血液検査、超音波検査、マンモグラフィーによるレントゲン検査で行います。

治療

 治療はフェレットの年齢、一般状態(活発さ・食欲など)、飼い主さんの希望により内科療法か外科療法を選択します。

 内科療法は酢酸リュープロレリン(リュープリン注)を1か月に1回注射し、発毛が良好になれば注射間隔を開けていきます。

 外科療法は開腹手術により病的な副腎を摘出します。

インスリノーマ

 膵臓に腫瘍が発生することによりインスリン分泌が過剰となり、低血糖にともなう症状が現れます。2~8歳での発病、特に4歳以降で多い傾向があります。

症状

 元気消失、食欲不振、体重減少、慢性的な衰弱、不活発が主な症状で、後躯のふらつき、吐き気、ヨダレ、失明、痙攣発作、低体温が生じることがあります。

診断

 これらの症状と低血糖(70 mg/dl 以下、20-60のことが多い)、糖補給により症状の改善が得られることなどで診断します。確実に診断するには開腹手術により膵臓の腫瘤(しこり)を確認・摘出し、病理検査が必要です。膵臓内の腫瘤は複数あり、きわめて小さいため(ほとんどは0.5~数ミリ)超音波検査やレントゲン検査で見つけることは困難です。

治療

 治療はステロイド剤の投与を主とした内科的治療法と外科的治療法として開腹術による腫瘤摘出があります。いずれも根治療法ではないため、飼い主さんと相談の上で治療法を選択します。

治療中の食事について

 インスリノーマのフェレットに対する食事は、高蛋白食を頻繁(6回以上)に与えて下さい。炭水化物、糖類は腸で速やかに吸収されインスリン分泌を刺激するので避けるべきです。ただし、低血糖発作時にはブドウ糖液を飲ませるか歯肉に塗ってから病院の指示に従ってください。

術中写真はコチラ※閲覧注意

リンパ腫

 リンパ腫とはリンパ球系細胞の腫瘍であり、体の多くの部位(リンパ節、脾臓、肝臓、胸腺、骨髄、腎臓、皮膚など)で発生します。

症状

 飼い主さんが気づくことのできる症状は、元気・食欲の低下とともに、リンパ節(特にあごの下、肩の前、わきの下、内股、ひざの後)の脹れ、脾臓が脹れることによるお腹の膨らみです。

 胸の中に病変ができた場合には呼吸が苦しそうになります。

 その他には、骨髄の機能異常による貧血、胃腸のリンパ腫による吐き気・下痢があげられます。しかし、これらの症状はリンパ腫以外の病気でも見られますので、症状だけでは判断できません。

診断・治療

 診断は、脹れたリンパ節や臓器に針を刺してリンパ腫細胞を見つけること、血液検査、骨髄検査、レントゲン撮影および超音波検査により行います。

 治療は副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤や抗癌剤を使用します。その他に、免疫力を高めるためにインターフェロンやサプリメントを使用することがあります。これらの治療により、完治することは難しいのですが症状を軽くすることが望めます。抗癌剤やステロイド剤を使うのかについては、飼い主さんと獣医師の十分な相談のうえで決めることになります。

脊索腫

脊索腫

尾端にできた脊索腫。手術するために周囲の毛を刈ってあります。

 フェレットの脊索腫は、主に尾端にできる腫瘍です。フェレットの全腫瘍中の約3%がこの腫瘍です。診断は、肉眼的な所見と、レントゲン撮影で行いますが、最終的には手術で切除した腫瘍の病理検査が必要です。

手術方法

 手術方法は断尾(病変部を含めて数センチを尾ごと切除)です。一般に手術後の経過は良好ですが、手術をせずに時間が経過した場合や、尾端以外の場所にできた例では、再発・転移が報告されています。

耳ダニ

脊索腫

顕微鏡写真。
ミミヒゼンダニの虫体(白矢印)と卵(黒矢印)

 耳ダニ症は、ミミヒゼンダニ(Otodectes cynotis)寄生による外耳道疾患で、正式には耳疥癬症といいます。ミミヒゼンダニはフェレットのみならず犬、猫、キツネ等の種々の肉食獣の外耳道に寄生し、その診断および治療法は犬・猫とほとんど同じです。

症状

症状は、黒い耳垢が特徴的です。犬・猫では非常にかゆがりますが、フェレットではそれほど気にしていないことも多いようです。診断は、耳垢を採取して顕微鏡で虫体や卵を見つけることで行います。

治療

治療は色々な方法がありますが、当院ではスポットオン製剤(首の後ろに浸透させる薬剤)を使用します。フェレットを複数飼育している場合には同時に治療をする必要があります。



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