モルモットはテンジクネズミ科に分類され、完全草食性です。ビタミンCを体内で合成できないため、食事中に十分含まれる必要があります。通常は良質のモルモット用ペレットフードを適量とチモシーなどの乾草、緑黄色野菜を与えることで不足することはありません。しかし、病気などで食事量が少ない時には病気の治療とともにビタミンCを与える必要があります。
モルモットは色々な鳴き声でおしゃべりをします。機嫌のいい時、悪い時、食事や遊びをねだる時など、一緒に生活しているとその意味がスグに理解できるようになるでしょう。
足底皮膚炎 | 後ろ足の裏の皮膚が赤くなり、糜爛(ただれ)、肥厚(厚くなる)、潰瘍病変(皮膚の表層が壊死する)ができます。治療には床材を清潔に、柔らかいものに変更し、肥満であれば体重を減らさなければ治癒しません。炎症の程度により抗生物質、温水によるマッサージ、半導体レーザーを組み合わせて治療します。 |
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細菌性・真菌性皮膚炎 | 飼育環境を清潔にし、抗生物質・抗真菌剤を投与します。 |
外部寄生虫症 | 疥癬、ズツキダニ、ハジラミ。特に疥癬は強い痒みを伴います。飼育環境の改善とイベルメクチンの投与を行います。 |
ウサギと同様に切歯(前歯)・臼歯(奥歯)ともに伸び続ける歯であり、不正咬合、根尖膿瘍が少なくありません。予防のために乾草を十分与えて下さい。
卵巣嚢胞が代表的であり、その他に嚢胞腺腫、顆粒膜細胞腫があります。卵巣子宮疾患ですが血尿を主訴に気づかれることがほとんどです。
本来の血尿ではなく、子宮から膣に流れ出ていた血様物が排尿時に尿とともに排出されるものです。全身状態が悪くなる前に手術で摘出する必要があります。
術中写真はコチラ※閲覧注意
雄の乳腺癌です。
切除により経過は良好です。
モルモットの乳腺腫瘍は、他の動物と同じように良性の線維腫から悪性の乳腺癌まで様々です。最終的な診断は切除した乳腺の病理検査で行います。
モルモットの乳腺腫瘍の特徴は、雌ばかりでなく雄での発生も多いことです。腫瘍が大きくなりすぎた場合や、大きくなくても元気・食欲がなくなってきた場合には手術が不可能になります。また、小さくても肺に転移していることがあります。
乳腺の部位にしこりを見つけた場合には、なるべく小さいうち、元気なうちに手術を受けることをお勧めします。
歯の根元が伸びて
根尖膿瘍になっています。
チンチラは齧歯目チンチラ科の動物で、本来の生息場所は南米アンデス山脈の乾燥した寒冷地域です。湿潤に加えて気温が25℃を超えると熱中症になる危険性があります。したがって、十勝でチンチラを飼育する場合でもエアコンが必須です。
野生のチンチラの食事は低カロリーで高繊維質の木の根や樹皮、草などであり、時間をかけて十分に咀嚼しながら食べます。飼育するためには良質の乾草(チモシー)と適量のチンチラ用のペレットを与えてください。
歯はウサギやモルモットと同様に、切歯(前歯)、臼歯(奥歯)ともに伸び続けます。
そのため、不正咬合に関連した切歯や臼歯の過長症とそれにともなって口の中に傷ができることがあり、さらに進行すると根尖膿瘍(歯の根元が伸びて化膿する)が生じることがあります。
一般に国内で飼育されているハリネズミは、ハリネズミ目、ハリネズミ科、アフリカハリネズミ属のヨツユビハリネズミです。ハリネズミ属のマンシュウハリネズミは、外来生物法により飼育が規制されていますので注意して下さい。
ハリネズミ用のフードを主として与え、その他に餌用昆虫、果物、野菜
ヒゼンダニ症 | 皮膚や耳にフケ、脱針、痒みがみられます。顕微鏡でダニの体や卵を見つけることで診断します。治療は、犬猫用のスポット製剤か注射を用います。 |
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皮膚糸状菌症 | 真菌(カビ)による皮膚病です。ヒゼンダニと同様の症状で、両方が併発することもあります。顕微鏡で真菌を見つけたり培養検査を行います。抗真菌剤を投与します。 |
歯石、歯周炎、歯肉炎、口腔内腫瘍 | 歯肉が腫れて食べにくくなります。 |
子宮疾患 | 子宮内膜過形成や腫瘍があります。陰部から出血し、触診、レントゲン検査、超音波検査を行います。治療は開腹手術で卵巣子宮摘出を行い、病理検査で確定診断します。 |
眼球突出 | 外傷性、肥満、腫瘍などが原因です。 |
WHS(ハリネズミふらつき症候群) | 脳神経の脱髄性神経病変が原因とされています。最近では、脳の腫瘍や、ウイルス感染、その他でも同じ症状がみられることが報告されています。 1-2歳齢に多く、少しずつ進行します。 |
フクロモモンガはオーストラリア大陸の北部と東部、タスマニア島、ニューブリテン島、ニューギニア島とその周辺の島々に生息しています。外観からムササビやモモンガと同じくげっ歯類と思われがちではありますが、分類学上は別の系統であるコアラやカンガルーなどの有袋類の仲間です。樹洞を巣穴として生活する夜行性であり、6~7頭以下(1匹の雄と複数の雌と仔)で暮らしています。
専用のペレットを中心に、果物や野菜、昆虫など
自咬症 | フクロモモンガは本来複数頭で生活する社会性のある動物であり、単独飼育や飼い主とのコミュニケーション不足などの精神的なストレスにより四肢や尻尾、胸部や腹部の臭腺周囲を自傷してしまいます。ひどいときには腸管が脱出したり、骨までかみちぎってしまうこともあります。 |
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皮下膿瘍 | 顔面部にできることが多く、歯根部の感染や外傷によるものが多いと思われています。眼が飛び出しているように見えることがあります。 |
代謝性骨疾患 | くる病や骨軟化症、骨粗しょう症などが含まれています。症状がひどい場合、けいれん発作が起きてしまうこともあります。食餌中に含まれているカルシウムやビタミンDが不足することによって起こることが多いです。布などに爪をひっかけて自力で外すことができない場合、爪が伸びすぎているわけではなく自分で外すことができなくなってしまっている可能性があります。 |
ペニス(陰茎)脱 | フクロモモンガの陰茎は先端がY字状に分岐した構造をしており、普段は総排泄腔内に収まっていますが、それが様々な要因で体外に出てしまうことがあります。陰茎脱が持続すると、陰茎や陰部の自咬症へとつながることが多いです。また先端が壊死してしまう場合もあり、状況によっては陰茎を切除する必要があります。 |
脱皮不全 | 眼瞼周囲の脱皮不全であれば開眼不全になり、肢端の脱皮不全であれば絞扼し壊死してしまう可能性があります。湿度が低いことや、体をこすりつけることができる重たいものがないことが原因なことが多いです。 |
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代謝性骨疾患(MBD) | 食欲不振や卵詰まり、甲羅や骨の変形など様々な症状を呈します。不適切な食餌や紫外線の不足によるものが多いです。 |
卵詰まり | 前述のMDVを含めた低カルシウム血症や骨盤より大きな卵の存在によって排卵ができず、食欲不振や呼吸促迫になることがあります。内科的治療に反応しなければ、外科的治療が必要になります。 |
感染症 | マウスロット(細菌性口内炎)や膿の貯留、ウイルス感染による皮膚病など様々な症状を呈します。食欲不振などの一般状態の低下が認められます。抗生剤や対症療法が主になります。 |
寄生虫症 | 消化管内寄生虫やヘビダニなどの外部寄生虫があります。栄養不良や貧血になる可能性があります。駆虫が必要です。 |
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